いつか、家族みんなでサーフィンができたら
会社員である高島大樹さんは、日の出とともにサーフィンをしてから仕事に向かうのが日課だ。20代前半の時に田原市へ移住し、もう20年以上。同じく海好きの亜紀さんともこの地で出会い、現在は2人のお子さんと家族4人でにぎやかな毎日を送っている。
海が家族の憩いの場に
高島さん夫婦の共通点は、サーフィン。奥様の亜紀さんは元々、愛知県犬山の自宅から2時間以上かけて田原の海に通っていた。上達するためにも「とにかく毎日サーフィンがしたい」と思い、2010年頃に移住を決意したという。大樹さんとも、サーフィンをする中で出会った。
今では家族4人で海に行くのが週末の定番で、小学生のお子さん2人もつい先日サーフィンデビューを果たしたそう。
「いつか家族みんなでサーフィンできたらいいな、とは思います。夢ですね。強制はしたくないですが、子どもがやりたいと思ってくれるなら」と高島さん夫婦は笑顔で話す。
海は、お子さん2人にとっても身近な ”あそび場” になっている。浜辺の流木で家を作ってみたり、テトラポットの上を跳ねてみたり、波音を間近に感じながら気ままに過ごしている。
サーフィンだけじゃない、「スローライフ」がかなう田原市の魅力
亜紀さんが営むゲストハウスには、移住を検討している人がたびたび訪れる。田原市での暮らしを体験するために長期滞在した後、実際に引っ越しを決意した人も数組いるという。
移住者を惹きつける田原の魅力について、20年以上暮らす大樹さんに聞いてみると…
「空気がおいしいとか、町に出やすいとか。サーフィン好きじゃなくても、スローライフを求める人にはいいと思います。2拠点生活をするために田原市に家を買う人もいますね。移住者同士はだいたい顔見知りになりますよ」
日照時間が長く、年間を通して温暖な気候も魅力の一つ。海が見渡せる高島さんの自宅には1年中太陽の光が差し込み、冬でも暖かい。リビングにある薪ストーブも、あまり出番がないほどだ。
魚も野菜も。新鮮な食材がいつでも手に入る暮らし
太平洋に囲まれる田原市は、食材の宝庫でもある。今は長野県に住む大樹さんのお父様も、冬は温暖な田原に滞在し、趣味の釣りを満喫している。漁業権を持つ大樹さんがハマグリを採ってくることもあり、特に冬は「魚や貝があふれるほど手に入る」という。
きれいな水と空気を生かして野菜を育てる人も多く、ご近所さんや友人から野菜の差し入れがくることも日常茶飯事。
「買い物しなくても、新鮮でおいしい食材が常にある。とにかく生活費がかからないのも魅力ですし、そういう生活が本当におもしろいですね」と亜紀さんは話す。
サーフィンがしたくてそれぞれ移住し、田原市で出会った2人。「海が好きすぎる変態なんですよね」と笑うが、今では海だけじゃない田原の暮らしすべてが気に入っているようだ。