バスケと食で子どもたちの笑顔を広げたい
「都会ではできない自然体験を子どもにさせてあげたい」そう考える親御さんは多い。地域の子どもたちにバスケットボールを教える山橋銀次郎さんもその一人。稲作体験をしたり、海で遊んだりと、自然の恩恵を五感で味わう子育ての真っ最中だ。バスケットボールの指導だけでなく、オーガニック野菜を通して地域に貢献していきたいと、新たな挑戦の準備も進めている。
大好きなバスケットボールで、地域の子どもたちの笑顔を広げる
「今日もバスケットボール楽しかったよ!」
練習後に子どもたちが目を輝かせてそう言ってくれるような練習を心がけていますと話すのは、田原市に住んで13年になる山橋さん。地域の子どもたちに、週に1回バスケットボールを教えている。
チーム設立のきっかけは、「バスケットボールをやりたい子がいるんだけれど、誰か教えてくれる人はいないかな」と、馴染のカフェで挙がった地域のお悩み事だった。そこで白羽の矢が立ったのが、小学4年生からバスケットボールを続けている山橋さん。揃ってコートに立つ奥さまもバスケ経験者なのだそう。
「指導経験はありませんでしたが、地域の役に立ちたいと思い、引き受けました。子どもたちが練習やプレーでみせる成長に驚かされ、やりがいと達成感を感じていますね」と笑みが溢れる。
自然との触れ合いを、子どもにたくさん経験させてあげたい
福岡県出身の山橋さん、就職を機に愛知県に移住。1年の研修を経て田原市へ赴任し、現在は奥さまと3人のお子さんと田原で暮らしている。
子どもたちに農業体験を通して、食べ物のありがたみを知ってほしいと、「育てて食べる」体験を行っている「渥美どろんこ村」で稲作体験に参加する。
「泥だらけになった田植えは、本当に楽しかったです。田んぼで泳いじゃう子もいるほど盛り上がりました。子どもたちも私たちもとてもよい体験でした」
他にも地域コミュニティの農業体験やイベントが盛りだくさん。他の地域から移住してきた人も多く、移住者自身のこれまでの経験とこの地域の魅力をかけ合わせた、ここでしか体験できない貴重な機会を設けてくれる方も多いという。
「自然と触れ合うことは、子育てをする上で大事なことだと思っています。海や山に囲まれて自然があふれる田原市は、これ以上ない土地です」
家族みんな海が大好きで、平日でも家族で海に出かける。「釣りだけでなく、これからサーフィンにも挑戦してみたいですね」と、新しい趣味も広がりそう。
子どもたちをはじめ地域の将来のために、オーガニックの輪を広げたい
自然豊かな田原の暮らしは、山橋さんに新しいライフワークを芽生えさせる。
「こども園で調理師として働く妻が、オーガニック給食普及に取り組んでいることをきっかけに、オーガニック野菜の魅力を知りました。農薬を使った野菜とそうでないオーガニック野菜を食べ比べたら甘みなどが全然違うんです。子どもたちをはじめ地域の人たちに安全で美味しい野菜を作って食べてほしいと思い、有機農業に挑戦することを決めました」
山橋さんは地域の農家で本格的に研修し就農の準備を進める。田原市をはじめ愛知県内には有機栽培に詳しい農家も多く、仲間と力をあわせてオーガニックの輪を広げていきたいと話す。
まだ田原市を知らない人に、魅力を伝えるとしたら?
「田原にはゆっくりとした時間が流れていて、出会う人はおおらか。時間に縛られない暮らしを楽しんでいる人が多いと感じます。豊かな自然に触れ合うことで、子どもだけでなく大人も感受性が豊かになると思います。子育てをするならここしかないですね」
人々の感性を満たす豊かな自然と、自然からの恵みを大切に受け継ぎ発展させていく人々が、田原市の暮らしを豊かにしている。